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アラゲキクラゲの乾燥方法に関する一考察
関谷 敦
(森総研九州)
収穫後のアラゲキクラゲ子実体を乾燥させる方法として、機械乾燥、天日乾燥がある。しかし、アラゲキクラゲの具体的な乾燥方法に関する報告はほとんどないことより、今回アラゲキクラゲの詳細な乾燥方法について検討した。その結果、乾燥の主体は天日乾燥で行えることが明らかになった。しかし、気象条件によっては天日乾燥が向かない場合もあり、現在天日乾燥が行える条件について解析中である。

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冷凍および解凍処理が生シイタケの嗜好性に与える影響
飯田千恵美
(大分きのこセ)、有馬 忍、宮澤紀子、江口文陽
生シイタケの消費拡大を図るためには、その他きのこ類との差別化、付加価値向上が必要である。本試験では、生シイタケの冷凍処理および解凍処理が嗜好性に与える影響を明らかにするために、官能評価、うま味成分の分析を行った。試験には大分県内で栽培されている生シイタケを2箇所から購入して使用した。冷凍処理は、冷凍前の冷水洗浄は香りや味が弱く、軟らかくなる傾向が見られた。標準アミノ酸のアスパラギン酸は、冷凍処理により著しく減少したが、官能評価のうま味への影響はみられなかった。非標準アミノ酸のγ-アミノ酪酸は、未処理区と比較して冷凍処理により著しく増加した。また、解凍処理は、総合的な好ましさは常温解凍が最も良かったが、試験区間で有意な差は認められなかった。旨味性アミノ酸及び苦味性アミノ酸総量の上位は、官能評価の結果と一致する傾向が見られた。

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原木乾シイタケ低温性品種の単収向上に関する研究
市野瀬桐香
(大分きのこセ)、石井秀之、飯田千恵美、有馬 忍
春に集中発生するシイタケ低温性品種は、流通・販売面における評価が高く、大分ブランドを堅持するために欠かすことはできない。一方、低温性品種は近年の不安定な気象条件の影響を受け、秋から春にかけて分散発生する中温性品種と比較して発生量が減少しており、その対策が必要とされている。本研究では、所内と大分県内で低温性品種の使用割合が高い国東地域において、発生量を増加させるための操作の効果を検証した。所内試験では、品種によって差はあるが、ほだ倒しおよび凍結散水により発生量が増加し、子実体が小さくなる傾向が認められた。国東試験地では、ほだ倒しにビニール掛けまたは散水を組み合わせることで、発生量は増加するが、子実体が小さくなる傾向は認められなかった。