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培養中のLED照射がシイタケ子実体のエルゴチオネイン含有量に及ぼす影響
彌田涼子
(大分きのこ)
十時しおり
石原宏基
 きのこ栽培にLEDを活用する研究は、様々なきのこについて行われている。シイタケでは、培養中の菌床に青色LEDを照射すると、培養期間短縮や品質向上の効果があることが報告されているが、発生した子実体の成分への影響については報告がない。一方、いくつかのきのこでは芽出し後の栽培ビンに異なる波長のLEDを照射した場合の子実体成分への影響について調べられており、ヌメリスギタケでは青色LEDを照射すると発生した子実体傘部のエルゴチオネイン含有量が増加することが報告されている。そこで、演者らは、培養期間の短縮及び機能性成分の増加を目的として培養中のシイタケ菌床にLEDを照射する試験を行った。今回は、培養中のLED照射がシイタケ子実体のエルゴチオネイン含有量に及ぼす影響について報告する。


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アラゲキクラゲの簡易施設栽培について
多良勇太
(佐賀林試)
 近年、アラゲキクラゲ生産が増加傾向にあり、佐賀県内でも簡易施設を利用した菌床栽培による生産者が増加している。
 増産には適切な散水が重要となるが、小規模生産者の中には、経費や労力の不足で散水不足になり収量が伸び悩む事例がある。そこで、効率的な給水を目的として、散水チューブ(エバフロー)とミストノズルによる散水を比較し、また、不織布を用いて菌床を被覆し発生部分へ効率的に給水させることを図った。
 また、簡易施設による自然栽培では発生が初回に集中し、隣接する子実体によって被圧される傾向が見られるため、発生した原基が生長する前に予め一部を取り除いて摘芽した効果について検討したので、その結果を報告する。