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沖縄島北部の森林域で撮影された航空機のデジタル空中写真について
高橋與明
(森林総研九州)
 近年では、低高度(150m未満)のドローン空撮画像を利用した数ha規模での森林の現況把握を試みる研究が多くみられるようになってきた。本研究では、高高度(約2620m)で航空測量用のデジタルカメラで撮影した沖縄島北部の森林域の空中写真について、SfM/MVS処理(カメラの撮影位置と姿勢を決定した後に大量の三次元データを生成する処理)で得られる三次元データが森林の現況把握にどれほど利用できそうかを調べた結果を報告する。


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森林域での情報通信技術の利用可能性
加治佐 剛
 (鹿大農)
寺岡行雄
 日本政府は第5期科学技術基本計画において新たな社会としてSociety5.0を提唱している。Society5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会を指す。この社会で実現される社会の基盤には、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことである。このような新たな社会の構築において、現況の森林域の情報通信技術の活用事例と今後の利用可能性について発表する。


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森林域における高度別電波受信強度の変化
大城海斗
 (鹿大農)
加治佐 剛
寺岡行雄
 林業は全産業の中でも非常に労働災害が多い職種である。山間部では地形や樹木などにより電波伝搬が不十分な地域が非常に多く、労働災害が発生した場合、通信が不十分であるために対応が遅れてしまう危険性がある。地上では電波の届かない地域でも上空には電波が通っている可能性があるが、上空の電波受信状況は検証されていない。そこで本研究では森林内の通信状況を改善させるための基礎研究として、山間部での携帯電話周波数帯電波の受信は高度によってどのように変化するかを明らかにすることを目的とした。電波塔からの直線距離がほぼ同等で異なる標高の3地点で対地高度別の電波強度を計測し、電波塔から受信点までの横断図と比較することで森林内の上空ではどのように電波が通っているのかを調査した。その結果について報告する。