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地上バイオマス量による熱帯林の減少・劣化の評価
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小寺翔太
(九大生資環) 志水克人 太田徹志 溝上展也 |
熱帯林の減少および劣化は炭素蓄積や生物多様性に与える影響の観点で大きな問題となっている。熱帯林の減少および劣化は、アフリカ、南米、東南アジアを中心とする広範な地域で生じており、それゆえこれらに関連する研究も世界各地で行われている。熱帯林を適切に管理するためにも、これら熱帯林の減少・劣化に関する研究を整理し、俯瞰的に把握する必要がある。そこで本研究では、森林の状態を評価する指標として地上バイオマス量に着目し、熱帯林を対象とした地上バイオマス量に関する論文のレビューすることで従来の知見を整理した。 |
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宮崎大学田野演習林固定試験地データを用いた林分ー個体レベル階層型プロセス成長モデルのパラメータ推定
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西田圭佑
(宮大農) 光田 靖 |
現在、九州では皆伐が進行しており、少なくない面積が再造林されている。しかし、再造林後の施業や管理の指針について、明確な林業経営の展望もないまま再造林が行われている場合が少なくない。従って収益性の観点から成長予測やコスト予測を行い、個別での林分の適切な林業経営が求められる。そこで、本研究では成長モデルに着目し、従来には十分に考慮されていなかった自然条件や施業条件を的確に反映できるモデルを開発する。この成長モデルは、林分と個体レベルでのモデルからなる。林分レベルで炭素収支プロセスモデルにより気象や地形等を反映して林分成長量を推定し、個体レベルで個体間競争モデルより間伐タイプや強度等を反映して林分成長量から個体の成長量を推定する。本発表では宮崎大学田野演習林で得られたスギ人工林固定試験地での2007年および2012年の個体サイズデータを用いて、ベイジアンキャリブレーションによるパラメータ推定を行った。 |
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森林計画学分野における疑似実験法の重要性
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太田徹志
(九大決断科セ) 溝上展也 |
代表値の群間比較は最も一般的な研究手法の一つであり、森林経営分野においても極めて多くの研究で実施されている。具体的には平均値の差の検定や一般化線形回帰分析などが群間比較の手法として試みられている。しかし、各群のデータを得る際に生じる選択バイアスなどの問題から、従来の統計手法では誤った結果が生じうる事が近年問題視されている。そのため、従来の統計手法に代わる新たな統計手法の活用が国際的には一般的になりつつある。本発表では、従来の統計手法に潜む問題点と近年注目を浴びる疑似実験法について、文献の整理およびシミュレーションを通して報告する。 |
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市町村における森林・林業分野でのICTの活用について
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寺岡行雄
(鹿大農) |
林地台帳の整備や森林経営管理システムの導入により市町村の林業関係業務は増大している。市町村で活用できそうな林業ICT技術について概観し、業務の効率化や精度向上のためにどのように活用が図れるか検討した。 |